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松の病気、松、マツ材線虫病、マツノザイセンチュウ、植物病、植物病検査、検査サービス

日本の風景で欠かせない存在の松が、ある病気によって甚大な被害をあちらこちらで発生している事をご存じですか?マツノザイセンチュウという糸状の生物(線虫)に感染した松は、マツ材線虫病という病気にかかり、樹体内で急激に増殖したマツノザイセンチュウによって数ヶ月で枯れてしまいます。
大切な松を守るためには、マツノザイセンチュウに感染してマツ材線虫病にかかった松を早期に発見、除去する事が不可欠です。
従来の検査方法は、様々な種類が存在する線虫の中から、顕微鏡での観察によって、姿形からマツノザイセンチュウを特定するという極めて高度な専門知識が求められていましたが、ニッポンジーンでは遺伝子検査によって、誰でも簡単にマツノザイセンチュウを高感度に検出できるキットやサービスを用意しています。

マツノザイセンチュウ

Bursaphelenchus xylophilus

  • 大切なマツを枯らす糸状の生物(線虫)
  • 感染したマツを早期に見つけて処分する事が重要!

マツノザイセンチュウは、マツノマダラカミキリによって伝搬されマツ材線虫病(Pine wilt disease)を引き起こす糸状の生物(線虫)です。マツ材線虫病は北アメリカからの侵入病害であり、アカマツ、クロマツ、リュウキュウマツ、ゴヨウマツなど抵抗性を持たない日本のマツ類に重大な被害をもたらしています。
罹病木ではマツノザイセンチュウがマツの柔細胞やマツの衰弱に伴って樹体内に侵入した青変菌を摂食して急激に増殖するため、最終的に数ヶ月でマツが枯死に至ります。
枯死木にはマツノマダラカミキリが飛来して産卵し、成虫の羽化に伴って虫体内へ移動したマツノザイセンチュウは新たなマツへと伝搬されます。
罹病木から健全木への感染拡大を防止するためには罹病木の早期発見、除去が不可欠となりますが、マツ材片からマツノザイセンチュウを検出する方法としてはこれまでベールマン法による形態観察が用いられており、分離に時間を要する他、顕微鏡など高額な専用機器やマツノザイセンチュウの形態識別に関する知識が必要であることから、より迅速、簡便な検査法が望まれていました。

マツノマダラカミキリ

枯死した松

検査キット

マツ材線虫病診断キット

Bursaphelenchus xylophilus Detection Kit

本キットは、LAMP法を利用してマツ材線虫病の病原体であるマツノザイセンチュウ (Bursaphelenchus xylophilus)を検出するキットです。LAMP法によりマツノザイセンチュウゲノムDNAの一部を増幅し、増幅の有無からマツノザイセンチュウの存在を判定します。

tokucho

抽出から検出までを備えたキット

DNA簡易抽出試薬を含むため、一連の操作を行うことができます。

シンプルな使用方法

DNAサンプルを検査溶液に添加して63°Cで1時間保温するだけで検査できます。

きわめて高感度な検査

微量なDNAサンプルからも正確に判定できます。

明確な判定方法

判定は蛍光の発色を採用していますので、簡単に陰性、陽性を判別できます

検査環境の汚染リスクを低減

電気泳動などの操作による汚染の心配がありません。

価格表
品 名 Code No. 包装単位 価 格
マツ材線虫病診断キット NE0041 24テスト用 22,200円
マツ材線虫病診断キット NE0043 96テスト用 86,600円

製造元:(株)ニッポンジーン |
販売サイト:e Genome Order   表示価格は希望納入価格 (税別) です。

検査受託サービス

マツ材線虫病検査サービス

LAMP法を用いた植物病検査サービス Bursaphelenchus xylophilus Detection

本サービスは、お客様よりお送り頂きました「マツ材片」(検体)を「マツ材線虫病診断キット」を用いて遺伝子検査によって病原体のマツノザイセンチュウの有無を検査するサービスです。
本サービスは、(株)ニッポンジーン マテリアルにて検査を実施いたします。

tokucho

マツ材片(検体)をお届けする専用容器に入れて送っていただくだけ。きわめて高感度な検査です。

FAQ
マツ材片の採取方法について
本キットでは、対象とするマツ樹木の「幹」からマツ材片を採取します。直径 15 mm の木工用ドリルを用いて、幹の太さに応じて深さ 5 cm ないし 8 cm の穴を開けると材片を採取できます。採取するマツ材片に樹皮は不要です。
検査時期について
材片採取は地域や時期によらず、枯れていると気付いたらその時に行うことをお勧めします (葉が赤く枯れ上がっていれば、検査の対象となります)。
関東以西の暖かい地域では、夏に感染すると秋には真っ赤に枯れてしまうため、秋に採取し確定のための検査を行います。
東北地方などでは気温が低く、病徴の進行が遅いため一年中枯れが発生します。寒い地域で感染後に年を越して枯れた場合 (年越し枯れ:年明けから 5、6月ごろまでに枯れた木)、線虫は検出されにくい傾向があります (全身に線虫が蔓延・拡散せず、一部に局在したままになるため)。